教育知識

【どうなるの?】「部活動地域移行」を簡単解説

みなさんこんにちは。

最近、「部活動地域移行」という
学校職員にとっては、なんとも強烈なワードが飛び込んできましたよね。

公立中の部活、地域移行提言 スポ庁会議 23年度から3年間で』(毎日新聞)

部活動を負担に感じている教員が多い中、「部活動がなくなるのか!?」と期待を大きくしている人も多いのではないでしょうか。

私は部活動が無駄だとは思っていませんが、教員の負担軽減のためには無くすべきだと考えています。

この記事では、そんな部活動の「地域移行」に関わって、スポーツ庁はどんな提言を出したのかを簡単にまとめ、私の考えを述べます。

この記事を読むと、「地域移行」の内容や、そのメリットデメリットを理解することができます。

こんな人に読んでほしい!
  • 部活動を負担に感じている。
  • 「地域移行」について、詳しく知りたい。

どんな内容なの?

なぜ「地域移行」するの?

「地域移行」の要因は以下の通りです。

「地域移行」の要因

①部活動の小規模化

生徒数が減少しているにも関わらず、部活動の数自体は減っていません。令和3年度のデータでは、1つの運動部に所属する生徒の平均人数は、16.4人です。

生徒数が減少し、学校が小規模化する中で、現在の部活動を維持することはできません。

②教員の長時間労働の要因

中学校教諭が、土日に部活動・クラブ活動に関わる時間は平均2時間程度です。これは、10年前に比べて約2倍という調査結果です。

働き方改革が叫ばれている今日、こういった長時間労働の要因となる部活動を続けることはできません。

つまり、中学校の部活動については

持続可能ではありません

という判断がされたということです。

持続可能な部活動と、教師の負担軽減の両立を実現できる改革が必要なのです。

「地域移行」の方向性は?

改革の方向性については、以下の通りです。

地域移行の具体的な方向性
  • 部活動は必ずしも教師が担う必要のない業務であることを踏まえ、部活動改革の第一歩として、休日に教科指導を行わないことと同様に、休日に教師が部活動の指導に携わる必要がない環境を構築
  • 部活動の指導を希望する教師は、引き続き休日に指導を行うことができる仕組みを構築
  • 生徒の活動機会を確保するため、休日における地域のスポーツ・文化活動を実施できる環境を構築

運動部活動の地域移行に関する検討会議提言』より

簡単にまとめると

  1. 休日に部活動をしなくてもよい。
  2. 休日に指導したい人はしてもよい。
  3. 生徒の活動は、地域で支える

といった内容です。

また、

まずは、休日の運動部活動から段階的に地域移行していくことを基本とすべきと考える。その際、平日の運動部活動の地域移行についても視野に入れ、休日の運動部活動の地域移行とともにできるところから取り組むことが考えられ、地域の実情に応じた休日に関する地域移行の取組の進捗状況等を検証し、更なる改革を推進すべきと考える。

といった文言があるように、

将来的には、平日の部活動についても、「地域移行していきたい」となっています。

いつから「地域移行」するの?

今回の提言では、「地域移行」について

令和5年度から実施し、令和7年度末までの移行を目指す

と、示されています。

「地域移行」については、課題も多くありますので、
全国で行われている「地域運動部活動推進事業」などの実践研究等を踏まえて、徐々に進んでいくのではないかと考えられます。

教員のメリット・デメリットは?

さて、そんな「地域移行」ですが、
実際に教員には、どんな影響があるのでしょうか。
一部を簡単にまとめます。

地域移行のメリット

勤務時間の減少

前述したように、土日の部活動に関わって、教員は平均2時間の勤務をしています。これがなくなることは、長時間労働解消の一助となるでしょう。

技術的な指導が減少

中学校の部活動に関わって、「専門でないスポーツ」を指導しなくてはいけないことが、大きな負担になっていることがあります。休日に地域の指導者による活動が行われることで、顧問に求められる「技術的な指導」の量が減ることが予想されます。

地域移行のデメリット

施設・備品管理の複雑化

今回の提言において、活動場所を確保するために、地域スポーツクラブ等が学校施設を使用することも検討されています。

現在でも、地域スポーツクラブ等が学校施設を使用することはありますが、その使用頻度が増えると、施設を管理する学校側の負担が大きくなることが予想されます。

また、各学校には「部室」があり、さまざまな道具が保管されています。地域のスポーツクラブ等で専用の施設を持っていないところは、道具をどこで管理するのでしょうか。

休日の活動には、学校は関与しない。しかし、部室は使用する。などとなれば、管理が複雑になり、混乱することも予想されます。

調査書等作成の複雑化

現在、高等学校入試などでは、部活動の成績が評価されることも多くあります。そのため、学校では生徒の部活動の記録を調査書等に記載しています。

大会を含め、地域での活動がメインになると、生徒のスポーツの成績を管理することが、煩雑になったり、どの大会までを記載するのかがわからなくなったりする可能性が考えられます。

これはどうするの?

部活動の「地域移行」については、全面的に賛成しています。
しかしながら、不安に思う部分もあります。

ここでは、私が個人的に考える不安をまとめます。

大会の運営は誰がするの?

現在、中学生のメインとなる大会は、日本中学校体育連盟主催の全国中学校体育大会、いわゆる「中体連」です。この大会をもって引退する3年生も多く、ほとんどの生徒が、この大会に向けて練習をしていることでしょう。

しかしながら、この中学校体育連盟を運営しているのは教員です。「地域移行」となり、教員が関わらなくなったとして、この大会は誰が運営するのでしょうか。

実際のところ、すでに土日の部活動に教員が関わっていない地域であっても、中体連の大会だけは、教員が運営・引率をしています。

教員が休日の部活動に関わらないことで、「中体連」はどうなっていくのでしょうか。

今すぐにとは言いませんが、段階的に、中体連の大会についても、「地域移行」していただきたいです。

生徒間のトラブルは、誰が対応するの?

中学生での部活動には、トラブルが必ず起きます。
それが原因で、授業に集中できなかったり、教室に入れなかったりすることがあります。

そんな時、部活動の顧問や担任などが生徒間の関係改善に力を尽くします。

しかしながら「地域移行」された場合は、どうなるのでしょうか。

  • 同じクラスの「Aさん」と「Bさん」が揉めているらしい。
  • 原因は、2人が所属している地域クラブでのトラブルらしい。
  • 双方から話を聞くが、地域クラブのことなので、詳しい内容がわからない。

こういった場合、学校側はどこまで関与すべきなのでしょうか?
地域クラブの指導者と連絡をとり、解決まで進めていくべきなのでしょうか?

線引きは難しいかもしれませんが、そういったトラブルにも対応してもらえる「地域の指導者」がいてくださるといいなと思います。

まとめ

今日は、部活動の「地域移行」について、その概要と私の考えをまとめました。

今回の「地域移行」については、以下の内容が提言されました。

  • 令和7年度末までに実施する。
  • 生徒の活動機会を確保する。
  • 教員の負担を削減する。

部活動が不要だとは思いませんが、持続可能でないものは、続けることができません。
今回の「地域移行」については、生徒のことも、教員のことも考えた、よりベターな方法なのではないでしょうか。

これから「地域移行」に向けた動きが進んでいくと、おそらく問題も出てくるでしょう。簡単には進まないと思いますが、「生徒」も「教員」も豊かに活動できるように変化していくことを願います。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
これからも、教員のみなさんにとって有意義な内容をお伝えできればと思います。