最近、「ヤングケアラー」という言葉を聞く機会が増えてきました。言葉を知っている人も多いと思います。
しかし、「ヤングケアラー」とは何か、説明してくださいと言われたら、難しいと感じる人も多いのでは無いでしょうか。
今回は、そんなヤングケアラーについて、以下の3つの観点からまとめていきます。
ぜひ、最後まで読んでみてください。
- 「ヤングケアラー」って何?
- お手伝いと何が違うの?
- 「ヤングケアラー」って、どのくらいいるの?
「ヤングケアラー」って何?
一般社団法人日本ケアラー連盟によると、
家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケアの責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行なっている、18歳未満の子どものことです。
と、定義されており、具体的な内容としては、以下の10項目が挙げられています。
- 障害や病気のある家族に代わり、買い物・料理・掃除・洗濯などの家事をしている。
- 家族に代わり、幼いきょうだいの世話をしている。
- 障がいや病気のあるきょうだいの世話や見守りをしている。
- 目を離せない家族の見守りや声かけなどの気づかいをしている。
- 日本語が第一言語でない家族や障がいのある家族のために通訳をしている。
- 家計を支えるために労働をして、障がいや病気のある家族を助けている。
- アルコール・薬物・ギャンブル問題を抱える家族に対応している。
- がん・難病・精神疾患など慢性的な病気の家族の看病をしている。
- 障がいや病気のある家族の身の回りの世話をしている。
- 障がいや病気のある家族の入浴やトイレの介助をしている。
より詳しい内容は、「一般社会法人日本ケアラー連盟」のホームページをご活用ください。
お手伝いと何が違うの?
上記のような、ヤングケアラーの内容を確認すると、「お手伝いと何が違うの?」という疑問が生じます。
お手伝いは、子どもの生活的な自立のために推奨されるものです。したがって、子どもが家庭の仕事を行うことは否定されるものではありません。
では、お手伝いとの違いは何なのでしょうか。お手伝いとの違いは、以下の3点で判断できます。
- 保護者の見守りの下で行われている。
- 遊びや勉強など、他の活動との両立が保障されている。
- 「やらなくてもいい」という選択肢がある。
特に、3つめの「やらなくてもいい」という選択肢があることは、お手伝いなのか、ヤングケアラーなのかの大きな分かれ目です。
「ヤングケアラー」って、どのくらいいるの?
三菱UFJリサーチ&コンサルティングが令和3年3月に発表した「ヤングケアラーの実態に関する調査研究報告書」によると、ヤングケアラーに該当すると思われる子どもがいる中学校は、全体の46.6%でした。

また、ヤングケアラーと思われる子どもの業況についての調査では、「家族の代わりに、幼いきょうだいの世話をしている。」がもっとも多い結果となっています。

まとめ
今回は、「ヤングケアラー」について、簡単にまとめました。
最近話題になっているヤングケアラーですが、実際に定義を確認してみると、
自分が担当している生徒がそれにあてはまることに、気付けるのではないでしょうか。
ヤングケアラーの問題は、「家庭のこと」であり、教員だからといって積極的に介入することが難しい問題です。学校だけでなく、社会全体で対応していく必要があります。
しかしながら、もしかしたら「この子は、ヤングケアラーなのではないか」という視点をもつだけでも、生徒理解につながるのではないでしょうか。
そして、「提出物が出せない」、「授業中に寝てしまう」といった子どもたちに対して、広い心で対応することができるのではないでしょうか。
少しでも理解が広まって、子どもにストレスを感じる教員が減ったり、それにより、子どもがさらに安心して生活できる学校になったりするといいなと思います。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
これからも、学んだ内容について、共有していけたらと思います。