教育知識

【衝撃の2558人!】教員が不足する原因は??

先日、こんなニュースが飛び込んできました。

教員不足、全国で2065人 管理職が担任務める例も 文科省調査』(朝日新聞DIGITAL)

教員が足りず、学校に本来配置するはずの人数を満たせていない学校が、全国にたくさんあるという内容のニュースです。

教員不足の原因は「講師不足」

教員不足の原因は、「講師不足」の他にありません。正規雇用の教諭に欠員が出た場合、その枠を補うことが講師など「非正規雇用」の制度なのです。

また、「非正規雇用」は一定期間内での契約ですので、学級数の変更や行政の方針変換などによる、教員の人数変更に対して、柔軟に対応することができます。

では、なぜ講師が不足しているのでしょうか。その理由を考えます。

採用試験の倍率低下

1つ目の原因は、採用試験の倍率が低下していることです。

講師(「講師登録名簿登載者」)には、さまざまな人がいますが、「採用試験に合格しなかった」から、その立場にいる人が多くいます。
(もちろん、「講師」という働き方に魅力を感じて、積極的に講師を選んでいる人もいます。)

採用試験の倍率が高い時には、講師を経てから採用試験に合格することが当たり前とされていた時代もあります。
「講師を経験しないと、合格はできない」と聞いたこともありました。

しかし、その考え方は、大きく変わっています。
採用試験の倍率が低くなり、講師を経験する必要がなくなってきているのです。

第二次ベビーブーム世代の入学を機に大量採用された職員が、2010年ごろから退職しています。それに伴って、新規採用者数が増えています。

図1 公立学校教員採用試験における受験者数・採用者数・競争率(採用倍率)の推移
出典:文部科学省「令和2年度(令和元年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況のポイント

また、採用者数の増加と同時に、ここ10年ほどは、受験者数も減っています。

倍率が下がり、採用試験に合格しやすくなれば、講師になる人も必然的に減るわけです。

産休・育休取得世代の増加

これまで、産休や育休などで、一時的に休職する職員の代わりを担っているのが、前述した、「講師」(「講師登録名簿登載者」)です。「臨時採用」として、学校の教育現場を支えています。

しかし、最近は産休や育休の取得者が増加しており、その補充をする人材が足りていません。

前述の通り、近年は採用者数が増加し、教員の若返りが進んでいます。それに伴って、育休や産休を取得する世代が増えているのです。

また、教員が多忙ゆえに、育児との両立が難しく、育休が長期化していることも考えられます。

産休や育休は必要なものです。必要な人が、必要な時に、気持ちよく休みが取れるよう、環境の整備がすすんでほしいものです。

その他の要因

その他にも、教員不足には、さまざまな要因があります。

その他の要因
  • 個別に配慮すべき児童生徒の増加
  • 教員の病休取得者の増加
  • 高い離職率

「教員不足」解消に向けた取り組み

2021年2月2日 文部科学省は、教員の人材確保や質の向上に向けて
『令和の日本型学校教育』を担う教師の人材確保・質向上プラン」を公表しました。

その中で、「教員不足解消」に関わって、以下の取り組みが示されました。

教員免許状を取りやすくする

「義務教育特例」の新設

小学校と中学校の両方の免許状を取得する際に、重複する単位を減少し、総修得単位数を軽減する。

小学校教員資格認定試験の見直し

働きながら受験しやすいように、土日での実施やオンラインでの実施を目指す。

教師を目指す人を増やす

広報の充実を図る

発信力の高い者による広報や、教職の魅力向上の機運を高めるためのサイトの設置をする。

上記の一環として「#教師のバトン」プロジェクトが開始されました。

「#教師のバトン」プロジェクトについて(文部科学省)

教師の処遇の在り方等の検討

教師の勤務実態状況調査(令和4年に実施予定)の結果等を踏まえ、公立学校等の教育職員の給与に関する法的な枠組みを検討する。

教員免許更新制の在り方の見直し

臨時的任用教員等の確保に支障をきたさないよう、教員免許更新制の在り方を見直す。

このプラン発表後、免許更新制廃止に向けた方針が発表されました。

教員免許更新制、7月に廃止へ 政府が法改正方針』(朝日新聞DIGITAL)

これによって

  • 免許更新による、教員の負担の減少
  • 教員免許状保有者の増加

が期待されています。

教員にできることは?

最後に、私たち教員にできることは何かを考えてみたいと思います。

教師の魅力を伝える

現在、報道などで「教員はブラック」などといった表現が広がり、教員に対するイメージが低下しています。

授業などでも、生徒に対して「教員は大変だから、ならない方がいい。」と発言する方もいるようです。
そんな話を聞いた子どもたちが、将来教員になろうと思うでしょうか。

確かに、教員の働き方には問題があり、その問題点が周知されることは大切なことです。

しかし、マイナス面だけを伝えては、この教員不足は解消されません。

教員の問題点だけを伝え続けていては、教員不足が続き、将来的に今の若い教員が苦労してしまいます。
教員としての魅力こそ、子どもたちにどんどん伝えていきたいものです。

疑問をもち、考え、行動する

近年の「働き方改革」と呼ばれる動きは、「現状に疑問がある」人たちが考え行動してくださっているおかげだと思います。

  • 先生は忙しい
  • 土日は部活動があるもの
  • 先生は休めない
  • 公務員だから仕方ない

など、これまでの「当たり前」に対して、
「それってヘンじゃない?」「もっとこうした方がいい!」と行動してくださっている方々には、本当に頭が下がります。

私自身も、そういった行動力が伴う教員でありたいと思い、このブログでの発信を続けていこうと思います。

まとめ

2558人と示された「教員不足」という深刻な問題は、「講師不足」が原因です。

「講師不足」の原因
  • 採用試験の倍率低下
  • 産休・育休取得者の増加

そんな「教員不足」の解消に向けては、文部科学省から、さまざまな方針が示されています。

「教員不足解消」に向けた取り組み
  • 免許更新制度の廃止
  • 小学校教員資格認定試験の見直し
  • 教師の処遇の在り方等の検討

学校教育に、たくさんの課題があることは事実です。

しかし、その解消に向けた動きが進んでいることもまた事実です。

学校教育は非常に重要なものですので、たくさんの人で考え、より良いものにしていきたいと思います。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
これからも、豊かな教員生活を目指して、学んで行動していきます。