みなさんこんにちは。
中学校で働いていると、「キレる生徒」の対応をすることが多くありますよね。
生徒と関わること自体は楽しいのに、「キレる生徒」の対応をすると、非常にエネルギーを消費し、心が重くなってしまいます。
- どうしてキレているのかわからない。
- 生徒の怒りを受け止められない。
- 解決方法がわからない。
私自身、これまで何度もキレる生徒の対応をして、心をすり減らしてきました。
この記事では、そんな「キレる生徒」に対する対応を
脳科学者の中野信子さんが書かれた『キレる!』を参考に、私の考えをまとめます。
この記事を読むことで、「キレる生徒」に対する関わり方を理解することができます。
- なぜキレるのかを知りたい。
- 生徒と円滑に生活するための工夫を知りたい。
中学生が「キレる」ことは当たり前
キレる中学生を前にして、悩んだり、後悔したりする教員が多いですが、それでは心がすり減ってしまいます。
大切なことは、「中学生がキレることは当たり前だ」ということです。
原因は後述しますが、中学生はキレるものです。
それを、
- 私の生徒指導が良くないのかな・・・
- あの家は、保護者の教育が悪い。
- あの子がいるから、この子がキレるんだ。
などと考え、自分や誰かを責めることはしないでください。
中学生が「キレる」3つの理由
心のブレーキが利かない
感情のコントロールをしている場所は、脳の「前頭前野」と呼ばれる場所です。
しかし、10代の子どもの前頭前野は未発達で、感情をうまくコントロールすることができません。
脳が発達していない10代の中学生にとって、感情をコントロールすることは、非常に難しいことなのです。
- 思ったことをすぐに口に出してしまう。
- 怒りを抑えられずに、言動にうつしてしまう。
など、心のブレーキが効いていない状態は、中学生では仕方のないことなのです。
ちなみに、前頭前野が発達するのは30代からだと言われています。
テストステロンの増加
思春期になると、「テストステロン」という男性ホルモンが増加します。
(男性ホルモンは、女性にもあります。)
このホルモンが増えると、攻撃性や支配欲が高まり、
理由もなく攻撃衝動がでてきます。
つまり、思春期の中学生は、「キレたい」わけでもないのに
ホルモンの影響で、勝手に「キレてしまう」ということです。
「自立したい」のにできない
これまでの人類の歴史を考えると、10代ともなれば、「自立」した生活を始めていました。
- 狩りをして、食糧を得る。
- 出産し、子育てをする。
しかし、現代社会においては、10代での自立は非常に難しいものになっています。
人類の進化の過程で身につけてきた「自立」のための性質が、現在の生活とマッチせず、中学生にとっては、息苦しい世界になっているのかもしれません。
大人ができること
ここまで、キレる原因を挙げ、キレることが当たり前だと考えることが大切だと述べてきました。
そんなキレる中学生に対して、私たち教員(大人)ができることはないのでしょうか。
ここでは、私たち教員ができる3つのことを紹介します。
目を見て名前を呼ぶ
目を見て名前を呼ぶことによって、愛情ホルモンと呼ばれる「オキシトシン」が分泌すされます。
このオキシトシンが増えると、脳に愛情を感じさせたり、親近感を持たせたりして、人と人との絆を作ることができます。
その結果、攻撃性を抑えることができます。
毎日生徒と顔を合わせる際に、名前も一緒に呼びながら、あいさつしてみてはどうでしょうか。
共通の目標をもつ
人は、共通の目標があると、仲間を作ることができます。この「共通の目標」は、仲間を作ることには最強と言われています。
生徒と、「仲間」になってしまえば、敵対関係になることも少なくなります。
- 授業の「課題」を共有する
- 部活動の「目標」を共有する
- 日常生活の「ねらい」を共有する
などです。
※生徒と友達になりましょうという意図ではありません。
見守る
「なぜキレるのか」を考えると、「そういう生き物だから」と考えることができます。
つまり、大人がどう関わっても、キレる人はキレるということです。
そういった場面において、大人ができることは
「優しく見守る」という、大人の対応です。
子どもの「キレる」を受け止められる心の余裕をもっておくことが、必要なのだろうと思います。
まとめ
今回は、「キレる中学生とどう関わるべきか」というテーマで、キレる原因や、対応の仕方についてまとめました。
結論、「中学生はキレるもの」です。
生徒が「キレない」ように、こちら(大人)側との仲間意識を持たせたり、穏やかに過ごせるような環境をつくったりすることは、少なからずできるでしょう。
しかし、それでも中学生は「キレる」のです。
私たち大人に大切なことは、
「キレないようにする」ではなくて
「キレた生徒を、どう受け止めるか」なのではないかと思います。
- 長時間勤務をしない。
- 自分の趣味の時間も大切にする。
- 睡眠時間を確保する。
などといった、自らの生活を豊かにすることで、
生徒の「キレる」を受け止められる大人の余裕をもっておきたいものです。

なお、本日参考にさせていただいた本『キレる!』には、自分や他人の「キレる」と、どのように付き合っていくのかが、より詳しく紹介されています。
興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
これからも、教員のみなさんにとって有意義な内容をお伝えできればと思います。